「退職した病院から連絡があり、『最後の給料は手渡しだから、印鑑を持って取りに来い』と言われた…」 「辞める時に散々揉めたから、もう二度と院長の顔は見たくない」 「『規則だから』の一点張りだけど、これってただの嫌がらせだよね?」
退職時のトラブルで、地味に精神を削られるのが**「ラスト給料の手渡し強要」**です。
今までずっと銀行振込だったのに、なぜ最後だけ手渡しなのか? 理由は明白です。 あなたを呼び出して、最後に嫌味を言いたい(説教したい)からです。 あるいは、「取りに来るのが気まずくて諦める(給料放棄)」のを待っている、悪質なケースもあります。
「行きたくないけど、行かないと給料がもらえない…」 と泣き寝入りして、震えながら取りに行く看護師さんは少なくありません。
しかし、断言します。 行く必要はありません。
確かに法律の原則は「手渡し」ですが、これまで振込で行われてきたという「実績」と、合理的な理由(体調不良や遠方など)があれば、振込や現金書留での支払いを強制させることは十分に可能です。
この記事では、陰湿な嫌がらせに屈せず、一歩も家から出ずに給料を回収するための**「法的ロジック」と、そのままコピペして使える「振込要求通知書」**を伝授します。
その給料は、あなたが汗水垂らして働いた対価です。 1円たりとも諦める必要はありませんし、嫌な相手に頭を下げる必要もありません。
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1. 敵の言い分:「手渡しが原則」は本当か?
まず、相手が振りかざしてくる「法律」の正体を知りましょう。 彼らはこう言います。 「労働基準法で、給料は直接手渡しが原則なんだよ。だから取りに来い」
労働基準法24条の「通貨払いの原則」
悔しいですが、これは半分正解です。 労働基準法第24条には、「賃金は、通貨で、直接労働者に支払わなければならない」とあります。 つまり、法律の建前上は「手渡し(現金)」が基本で、銀行振込はあくまで**「労働者の同意がある場合の例外」**なのです。
病院側は、この「原則論」を盾にして、「例外(振込)は認めない、原則(手渡し)に戻す」と言っているわけです。 これが、非常に厄介な点です。
しかし、勝てるロジックはある
ですが、諦めるのはまだ早いです。 これまでの数年間、ずっと振込だったなら、そこには**「振込による支払いの合意(慣習)」が成立しています。 特段の理由(口座が凍結された等)もなく、最後だけ一方的に合意を破棄して手渡しにするのは、「権利の濫用(嫌がらせ)」**にあたります。
「今まで振込だったのに、なぜ今回だけ手渡しなのですか? 合理的な理由を説明してください」 こう詰め寄られたら、病院側は「嫌がらせです」とは言えず、答えに詰まるはずです。

2. Step 1:まずは「行けない理由」を作って交渉する
いきなり喧嘩腰にならず、まずは「物理的に行けない」という理由を伝えて、振込をお願いしましょう。 嘘でも構いません。相手に「来させるのが面倒だ」と思わせれば勝ちです。
理由①:体調不良(メンタル不調)
「在職中のストレスにより体調を崩し、外出困難な状態です。医師からも安静を指示されています」 これは最強の理由です。 もし無理に来させて悪化したら、病院側の責任になります。
理由②:遠方への転居
「すでに実家(遠方)へ引っ越しており、交通費往復3万円をかけて取りに行くことは経済的に不可能です」 「どうしてもと言うなら、交通費を全額支給してください」 こう言えば、病院側も「じゃあ振込でいいや」となる可能性が高いです。
メールでの交渉例文
電話だと怒鳴られるので、メールか手紙で送りましょう。
件名:最終給与の振込のお願い
〇〇クリニック 院長様
お世話になっております。退職いたしました〇〇です。 最終給与の受取について、手渡しでの受領を指示されましたが、現在体調不良により外出が困難な状態です(または遠方に転居いたしました)。
つきましては、これまで通り**「指定口座への振込」**をお願いいたします。 口座情報は変更ありません。
もし振込が不可能であれば、**「現金書留」**での送付をお願いします。 郵送料は私の給与から差し引いていただいて構いません。 ご対応よろしくお願いいたします。
3. Step 2:無視されたら「通知書」を送りつける
メールを無視されたり、「甘えるな、取りに来い」と返信が来たりした場合。 ここからは戦闘モードです。 内容証明郵便で、法的なプレッシャーをかけます。
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれる手紙です。 これを受け取った病院側は、「こいつ、本気だ。バックに弁護士がいるかも?」とビビります。
【コピペ用】振込要求通知書テンプレート
通知書
令和〇年〇月〇日 〇〇県〇〇市…… 医療法人〇〇 理事長 〇〇殿
通知人:〇〇県〇〇市…… 〇〇 花子
私は、貴院を令和〇年〇月〇日に退職いたしました。 未払いの最終給与(〇月分給与)につきまして、以下の通り請求いたします。
貴院より「直接来院して受け取るよう」指示がありましたが、私は現在、諸事情により貴院へ出向くことができません。 これまで貴院とは銀行振込による賃金支払いの合意が形成されており、特段の合理的理由なくこれを一方的に破棄し、手渡しを強要することは、権利の濫用にあたると考えられます。
つきましては、本書面到達後7日以内に、以下の指定口座へ当該賃金をお振り込みください。
【振込先口座】 〇〇銀行 〇〇支店 普通 1234567 カ)〇〇〇〇
万が一、期限内にお支払いが確認できない場合、または合理的理由のない手渡しの強要が続く場合は、所轄の労働基準監督署への通報、ならびに法的措置を検討させていただきます。
以上
★ポイント: 「労基署への通報」という言葉がキラーワードです。 ブラックな病院ほど、労基署の監査を嫌がります。

4. Step 3:妥協案「現金書留」なら受け入れさせる
頑固な院長の場合、「意地でも振込手数料は払わん!」と抵抗することがあります。 その場合の落とし所として有効なのが**「現金書留」**です。
「郵送料を引いて送れ」と言えば断れない
法律上も、「労働者の同意」があれば現金書留での送付は認められています。 そして、あなたが「取りに行けない」と言っている以上、病院側には「支払う義務(債務)」があります。 取りに来ないから払わない、というのは**「賃金不払い」**という違法行為になります。
「取りに行けないので、郵送料(500円程度)を給料から差し引いて、現金書留で送ってください」 と提案しましょう。 これなら病院側に金銭的負担はなく、「手渡し(現物)」に近い形なので、言い訳ができなくなります。 ここまで譲歩しても送らないなら、それは完全な違法行為です。
5. 最終手段:それでもダメなら「代理人」か「労基署」
ここまでやっても「絶対に取りに来い」と言うなら、相手は異常です。 自分一人で戦うのは危険です。
① 労働基準監督署に「申告」する
通知書のコピーを持って労基署に行き、 「給料を払ってくれません。嫌がらせで手渡しを強要されています」 と相談(申告)しましょう。 労基署から病院に「指導」が入れば、さすがに支払わざるを得ません。
② 弁護士(退職代行)に回収してもらう
「労基署に行く時間もない」「もう関わりたくない」 それなら、弁護士に丸投げしましょう。 弁護士から「代理人として受領します」と連絡がいけば、即座に振り込まれます。 費用はかかりますが、数万円の手数料で、数十万円の給料が確実に、かつ誰にも会わずに手に入るなら、精神衛生上プラスかもしれません。
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6. まとめ:その呼び出しは、あなたの時間を奪う価値もない
「手渡しで給料を渡す」 一見、温かみのある行為に見えますが、辞めた職員に対して行われるそれは、ただの**「マウンティング」**です。
「ほらよ、給料だ。感謝しろ」 そんな態度を取られるために、あなたがわざわざ交通費と時間をかけて行く必要はありません。
あなたはもう、その病院の職員ではありません。 赤の他人です。 他人に呼びつけられる筋合いはないのです。
毅然とした態度で、「行けません」「振り込んでください」と伝えましょう。 通知書一枚送れば、相手は面倒になって振り込んできます。
そのお金は、あなたが患者さんのために走り回り、夜勤を耐え抜いた証です。 胸を張って、堂々と受け取ってください。 ただし、自宅のソファの上で、スマホの画面越しに。
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